真空用途事例

真空とは

絶対真空と呼ばれる「空気などの物質がまったくない空間」がありますが、現実的にはそこまでの状態を作ることは難しいため、真空と言えばJISの定義で、「圧力が大気圧より低い空間状態のことを言います。真空とはモノではなく状態のことです。真空の状態は圧力で表します。圧力の単位はパスカル(pa)で表します。

真空技術の活用事例

  • クリーニング
  • 高速
  • 超高真空
  • 凍結真空乾燥
  • 真空乾燥
  • 分析
  • 含浸
  • 搬送
  • 真空蒸着
  • スパッタリング
  • 断熱
  • 検査・評価
  • エッチング
  • アッシング
  • CVD

真空加熱とは

真空雰囲気内でワークを数百度まで上げることにより、後工程に必要な状態を作り出します。
真空内で加熱する事により様々なメリットがあります。
目的を大別するとワークからのガス出し、アニール処理等に利用されています。
前者のワークガス出しは素材内部、表面からの水分除去に用いられてます。

後者のアニール処理は真空中で行うため、表面の酸化が防止出来ます。
真空加熱はタッチパネルの基材(PET)
やガラス基板、その他のマテリアルの前工程処理に必要不可欠な工程です。

真空蒸着とは

薄膜を形成する技術です。
真空容器の中で、蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華をして、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させることで薄膜を形成します。
蒸着材料、基板の種類により、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法で加熱されます。
蒸着材料は、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケルなどの金属類と光学特性を有する薄膜(光学薄膜)では主にSiO2、TiO2、ZrO2、MgF2などの酸化物やフッ化物を使用する。蒸着は金属の他、樹脂や硝子等にも利用され、紙などにも処理が可能です。
成膜する際に基板や蒸着材料によってはRFプラズマやイオン銃照射により蒸着前処理を施す事により密着性を向上できます。
蒸着中の膜厚の計測は、分光学的に反射率や屈折率を計測する方法や、水晶振動子の蒸着材料付着による振動数の変化を測定する方法などがあります。

真空蒸着の用途

光学薄膜(メガネやレンズの反射防止膜、特殊ミラーなど)、ディスプレイ構成の電極・半導体膜・絶縁膜など(プラズマディスプレイや有機EL、液晶ディスプレイ)、磁気テープ(オーディオテープやビデオテープなど)、携帯電話、PDAのディスプレイ表面・本体装飾コーティングなど、電子部品(抵抗やコンデンサ、半導体集積回路など)、食品包装材(スナック菓子などの袋に用いられているアルミ蒸着フィルムなど)、ファッション素材や建材などがあり、様々な分野に広く利用されています。走査型電子顕微鏡やEPMAの観察においてチャージアップを防ぐためにCやAu等を蒸着させることもあります。  (参考 ウィキペディア)

スパッタリングとは

スパッタリングとは、真空中で不活性ガス(主に、Ar)を導入、ターゲット(プレート状の成膜材料)にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、不活性ガス原子をイオン化し、高速でターゲットの表面にガスイオンを衝突させて激しく叩き、ターゲットを構成する成膜材料の粒子(原子・分子)を激しく弾き出し、勢いよく基材・基板の表面に付着・堆積させ薄膜を形成する技術です。
スパッタリング法では、高融点金属や合金など、真空蒸着法では困難な材料でも、成膜が可能で、広範囲な成膜材料に対応できます。