CVD
CVD
CVDとは、さまざまな物質の薄膜を形成する蒸着法の一つです。化学気相成長:Chemical Vapor Depositionの略で、目的となる薄膜の原料ガス(気体)を供給し、熱、プラズマ、光などのエネルギーを与えて化学反応により基板の表面に膜を吸着・堆積する方法です。
<メリット>
◆熱CVD
多成分ガスを用いて合金膜や多成分の成膜が可能
成膜の成長速度が速い
均一性の良い膜厚分布
基板上の段差に対しても均一性が良好
原料ガス解離のために高温を必要とする
高温で反応しないガスは使用できない
耐熱性がない基板には熱CVDは使えない
◆プラズマCVD
高周波により原料ガスをプラズマ化させる方法
低温の成膜により基板ダメージの減少
基板上の段差に対しても均一性が良好
プラズマによるダメージがある
薄膜に残留応力が起こる
◆光CVD
低温のプロセス
イオン発生がなく基板のダメージが少ない
波長の選択で特定のガスのみを励起可能
光のみではエネルギーが弱い
長時間の成膜では汚染により光量が低下する
◆MO CVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)
原料として容易に熱分解する有機金属化合物※1を使用
生産性に優れている
高真空を必要としない
大面積・均一成膜が可能
単一原子層の厚み制御が可能
原料ガスに毒性の強いものが多い(特殊高圧ガス)
※1 金属原子と炭素原子との間に直接結合を持つ化合物