蒸着とは金属の試料を蒸発させて気化させた試料分子を基材の表面に堆積させ薄膜でコーティングする成膜方法です。蒸着の特徴は、成膜速度が速く、高品質の膜を生成が可能、非金属や樹脂などの幅広い素材で成膜することができます。蒸着技術を使うことで製品の耐久性を向上や表面の装飾、光を反射、吸収、透過する光学特性を得ることができます。このことから車の内装や部品、食用用品、スマホのタッチパネルなどの日常生活欠かせない物に蒸着技術が使われています。
コミヤマエレクトロンでは蒸着装置の製造をすることができます。
・液晶ディスプレイ
・スマートフォンのタッチパネル
・自動車部品(窓、車の内装、ヘッドライト、内部パーツ)
・食品包装
・化粧品の容器
・CD、DVD
・切削工具
・建築材料(建材用ガラス)
蒸着には物理気相成長法(PVD)と化学気相成長法(CVD)の2種類があります。
物理気相成長法(PVD)は物理反応を利用して基材に薄膜を付けさせる蒸着の方法です。
物理蒸着には真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの3種類があります。
真空状態で蒸着を行う方式です。大気中で蒸着を行うと試料の分子が空気中の分子に阻害され、基板まで到達せず膜が付きづらい問題が発生します。そこで空気の分子を極力取り除いた真空で行うことで阻害する分子がないので、基板にまで到達し膜を形成します。真空蒸着を行うことで密着力の向上や高品質の膜を形成することができます。試料の加熱には抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱の3種類の方法があります。
真空蒸着の原理
真空状態の装置の中に不活性ガスを注入します。そこに電圧をかけて不活性ガスをイオン化させます。イオン化させた不活性ガスをターゲット呼ばれる金属の試料と衝突させ、ターゲットイオンを飛び出させます。そのイオンを対向にある基板に堆積させて薄膜を形成する方式です。
スパッタリングの原理
真空中で試料を蒸発させた分子を装置内で発生させたプラズマを通過させて試料分子をイオン化させます。イオン化させた試料分子を対向にあるマイナスの電圧を印加させた基板に引き付けて付着させ、薄膜を形成する方式です。
イオンプレーティングの原理
化学気相成長法(CVD)は化学反応を利用して基材に薄膜を付けさせる蒸着の方法です。
真空状態の装置の中に作りたい膜となるガス原料を導入し、熱や光、プラズマを利用して化学反応を起こして薄膜を形成する方式です。
CVDの原理